占星術のお話

西洋占星術について、思いついた事柄を無作為に語らせて頂いております。

七政四餘とリリス(1)

中国の唐代に成立した、実星を使う占星術「七政四餘」は、大変複雑な体系の占術である。私は、判田格先生から、この占術を教えて頂いた。

七政は日月火水木金土の七天体を表わし、また、四餘は羅睺・計都・孛星・紫気の四つの感受点を指す。

羅睺・計都は、インド占星術のRaph(ドラゴンヘッド)とKetu(ドラゴンテール)のことを、また孛星は西洋占星術で使用されるリリス(月の遠地点)のことを表わす。

紫気は、木星の余気と言われていわれているが、何の感受点を示唆しているのか現在では不明である。七政四餘の研究家・東山宗憲先生とは数回お電話で話す機会があったが、西洋占星術に於いても知られている感受点であるとのこと。

先生のご消息が不明である現在、それについて知る由もなく、至極残念である。

さて孛星(リリス)は、先に申した通り月の遠地点のことで、 ブラックムーンとも呼ばれている。

リリスには、真値と平均値があり、その差は最大で29°近くズレる場合もある。好みによって一方を、或いは両方を使用する。

神話の一つでは、リリスはアダムの最初の妻となったが、イブが現れると、天使によって追放されてしまった。それを恨んで、男性を憎み、生まれてくる子供の身体と魂を喰い殺す悪鬼になったと伝わっている。

西洋占星術出生チャートの読み方(5)

以上のように、太陽・月・ASC・MCに限定して、チャートを分析してゆけば、チャートの人物の宿命のアウトラインを把握することができる。

そして、例えば結婚について聞かれたときに、初めて第七宮そして第五宮の状況と、その支配星について調べれば良い。

最初から、全てのハウスの状況を把握しようとすると、カオスの中に陥り、その鑑定結果は支離滅裂なものに陥りやすい。何度も繰り返すが、先ずは太陽・月・ASC・MCに限定して、チャートを分析してゆくことが肝要である。

西洋占星術出生チャートの読み方(4)

ルナー・サイン・チャートは、原則的に出生時間が分からないと作成できない。何故なら、月は一日に平均で13°10′36″動くので、出生時間によっては、月が次の星座に移行してしまう可能性があるからである。

サン・サイン・チャートにしても、出生時間が分からない場合は、一日の真ん中、即ち正午の時間帯で作成することにたなる。しかし、その人が実際に生まれた出生時間によっては、月の位置は、正午に在泊する星座に在るのか、或いは前の星座に在るのか、又は次の星座に在るのか判明しない。そのため、推測しながら読んでゆく他ない。

西洋占星術では、太陽・月・ASC・MCを運勢四大代表と呼び、鑑定する上では重要なポイントであるとされている。

最後にMCについてであるが、MCは黄道の南中点であり、最も登りつめたポイントであるため、社会での活躍や評価を表わし、プラシダスやコッホ、或いはレジオモンタナスなどのハウス分割法の10宮の起点でもある。

MCの在る星座は、どのような仕事で世に出るかを知る上で大事であるが、MCの在る星座の支配星が在泊するハウスや星座、そしてその品位、さらにはその支配星が他の天体との間で形成するアスペクトを見ることによって、多くの情報が集まるであろう。

また、MCにコンジャンクションしているか、或いは最もMCに近い天体をカルミネートと呼び、その天体が示唆する分野で世に出ると、成功しやすい場合が多い。

西洋占星術出生チャートの読み方(3)

太陽が在泊しているハウスと星座は、生命エネルギーが発現する方向性や傾向を示唆している。

太陽の在泊する星座の支配星をサン サイン ルーラーと呼び、ASCに対する統治星と同じように、重要な役割を担っている。

サン サイン ルーラーが在泊するハウスと星座、その品位、そして他の天体との間で形成される アスペクト(座相)を見ることにより、その人の人生に対する価値観や方向性を知ることができる。

また、太陽がどのハウスの支配星なのか、そして太陽そのものの品位、そして他の天体との間で形成するアスペクトを知ることによって、多くの情報を得ることができる。

これと同様に、月の在泊しているハウスと星座は、感情や情緒、そして肉体のエネルギーが発現する方向性や傾向を示唆している。

月の在泊する星座の支配星をルナー サイン ルーラーと呼び、先のサン サイン ルーラーと同様に扱うとともに、月そのものについても、太陽の場合と同じように分析する。

西洋占星術出生チャートの読み方(2)

ASCの前後5°以内に天体が在る場合、それを上昇星と呼び、個性や人格に多大な影響をを与えるものとしている。

例えば、ASCが天秤座に在り、海王星コンジャンクションで、しかも金星とタイトなトラインを形成している場合、その人はとても人あたりが良く、優しい人柄で、夢幻的な雰囲気を持ち、現実的なことよりも神秘的なことを好み、女性なら美貌に恵まれていて、異性を惹き付ける魅力を放っている傾向が強い。

次に、大切なのは太陽と月である。太陽は人間の生命エネルギーや霊を表わし、月は人間の感情や情緒、そして肉体を表わす。それらを第一宮に持って来ることは、理に適っている。

出生時間が分かっている人でも、特にソーラーサイン ハウスシステムを鑑定に使用してみるべきであろう。

西洋占星術出生チャートの読み方(1)

占星術の師・橋本航征先生によると、紀元前のインド占星術の経典「ブリハット・パラーシャ・ホラーシャ・スートラ」には、出生チャートの鑑定は以下の三つの方法を併用すべきであると説かれているとのこと。

  1. ASC(アセンダント)のある星座を第一宮とする。
  2. 太陽のある星座を第一宮とする。
  3. 月のある星座を第一宮とする。

西洋占星術においても、生時が不明な時は、太陽のある星座を第一宮とする、ソーラーサイン分割法を使用することは周知の事実である。

今回は、生時が分かっている人の基本的な鑑定法を考えてみよう。

第一宮は、その人自身を表すハウスである。ASCの星座は、個性を知るうえでは大事だが、その星座の支配星(統治星)はより重要である。その統治星の在泊するハウスと星座、その品位、他の天体とのアスペクト(座相)を見るだけでかなりのことが分かって来るはずである。

また第一宮に、天体が在泊する場合は、その天体がどのハウスの支配星であるのか、またその品位と、さらには他の天体とのアスペクトを見れば、より多くの情報を得ることができるであろう。

ところで、各ハウスに在泊する天体が無い場合が多々あり、その場合、そのハウスに関わる事柄の鑑定ができなくなってしまう人がいるが、在泊星より支配星の方が重要であることを周知すべきであろう。

支配星は、そのハウスのオーナーであり、在泊星はテナントであると覚えておくと良いかもしれない。